2016年05月04日

「あしながおじさん」読みました

書簡形式で物語が綴られていく。
生き生きとした日々の喜怒哀楽を、こんなにも正直にユーモアをもって告白する少女の手紙。受け取ったあしながおじさんもさぞかし楽しかったことだろう。

ジュディの素直で個性的な感性のファンだったおじ様が、どのような心の変化でジュディを女性として愛するようになったのか、そこは描かれていない。終始ジュディの目線で語られてるから、おじ様の姿はジュディと同じように読者も想像力で描くしか無いのだ。
ここにこの物語の面白さがあると思う。

またこの作品には、人が正しい扱いを受けることの重要性をジュディの成長を通して観ることが出来る。
人間が人間らしくあるには、心が生きていることが大切なのだ。金銭の多少ではなく、一人の人間として見てもらえることが何よりも大切なのである。

ジュディはまだ少女ながら、自尊心と自立心を持った一人の人間であり、大学での生活を通してそれは立派に育っていった。
誰かがそれを傷つけるようなことがあった時、たとえそれが敬愛するおじ様であったとしても、彼女は毅然と戦う芯の強い女性である。
小さないたずらや逃亡でしかそれを発揮できなかった少女が、学ぶことで正々堂々と自身の言葉と行動によって、それを示すことができるようになったのだ。
ジュディがあしながおじさんに心からの感謝と愛を捧げた理由は、ここにある。
もしかすると、おじ様はそこに惹かれたのかもしれない。

環境に揺らぐことのない幸福の芽を見出していく主人公の心の成長、という普遍のテーマが、孤児院て育った少女が、お金持ちの男性と結ばれるシンデレラ・ストーリーのベースになっている。
この作品が長く愛される理由がここにあったのだ。
posted by USA at 08:44| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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